今どきのコンパクトで高性能な住まい
規模 | 88.33㎡(26.7坪) |
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構造 | 木造(プレウォール工法) |
いい土地が見つからないし、見つかっても高い。
安い土地は条件が悪い。
材料の値上げや職人不足で、建設工事費が高騰している。
年収は親の世代が家づくりをした頃よりも、10%は低下している。
こんな時代に、如何にして快適な住まいを手に入れるか。
その答えの一つが、この住まいにはあります。
住宅のコスト削減方法で、最も効果的なのが規模縮小で、コンパクトにつくることです。
この住まいは、延床面積26.7坪、吹抜けやポーチを入れた施工面積で30坪のとても小さな住まいです。
一般的な住宅よりも10~20%小さくつくっているため、その分コストも削減できました。
削減したコストは、耐震や断熱の仕様アップや好みの内装仕上げにすることに投資しました。
構造は繰り返しの揺れに強いプレウォール工法を採用。
断熱性能はLIXILのサーモスX(SAMOSX)のトリプルガラスを採用することで、Ua値0.42W/K・㎡まで高めました。
これは国が2020年に義務化を予定していた次世代省エネ基準における北海道基準よりも高い性能で、家全体を床暖房無し、エアコン1台で十分に冷暖房できる性能となっています。
内装仕上げには杉の無垢フローリングを始めとした自然素材を用いて、温もりがあって質感の良いものを採用しています。
コンパクトにつくったので狭いのでは?と疑問を感じると思います。
しかしそれは吹抜けや間取りの工夫で、窮屈に感じないように工夫しました。
吹抜けの開放感を強調するため、わざと一般部分の天井高さを2.1mと低く抑えたり、吹抜けに向かって室内窓を設けたり、間仕切り壁を極力少なくして家全体がワンルームに感じられるようにするなど、広く感じさせる工夫をしました。
小さくつくってコストを抑えて、浮いたコストを性能に投資し、小ささは間取りの工夫で広く感じるようにする。
これこそが今どきの住まいの一つの形だと思います。
小さいながらも広々感じ、高性能なため安心かつ快適な暮らしが実現可能です。
家づくりをするには厳しい時代ですが、こんな手法もあるのかという気付きがこの住まいにはありました。